オバセとゼロオバセ

 

鮎の友釣りでは、おとりの鮎の泳ぎ方をいかにコントロールできるかが重要な要素となります。それには、おとりの鮎に繋いだ糸の状態が重要であり、この糸の状態には独特の用語が使用されています。

 

「オバセ」とは、水中で糸が緩んでたるんだ状態のことであり、糸が水流の抵抗を受けることで、おとりの鮎にもその分負荷がかかることにります。おとりの鮎は抵抗を感じると、抵抗を受けた方向の反対の方に泳ぎ出す習性があります。すなわち、このオバセを上手く利用すれば、おとりの鮎をコントロールして狙いの方向やポイントに泳がせることができるのです。

 

例えば、おとりの鮎を右前方へ向かわせたい場合には、オバセをその鮎の左後方に持ってくるようにします。逆に、左前方に向かわせたい場合には、オバセを右後方に持ってくればよいのです。

 

「ゼロオバセ」とは、オバセが無い状態を表しています。つまり、おとりの鮎から竿の先まで糸が直線になっている状態であり、水中で糸がピンと張っていてたるみが出ていない状態のことです。

 

この状態では、水中での糸の抵抗が少なくなるために、オトリの鮎は自由に泳ぎ回ることができます。したがって、おとりの鮎の泳ぎに任せて釣る場合に使用されます。「ゼロ感覚」とは、水中では糸をピンと張っているのですが、竿の先は曲がっていない状態のことです。


 

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